宅地選びは地盤に注意

住宅選びにおいて重要視する点は、利便性や治安など人それぞれですが、せっかく買った家が傾いたり沈んだりしたら大変ですよね。今回は、沈下や液状化を引き起こす地盤について記述していきたいと思います。

地盤沈下について

地盤沈下は、文字どおり地面が下がることです。地盤沈下が起きると、不同沈下といって、多くの場合は地面が一様に下がることはなく、下がり方に差異が生じることから、家の土台にひずみが生じてしまいます。そうなると扉が閉まらなくなったり家が傾いたりして、住まいとしては致命的な状況になるのです。そこまでいかなくても外壁に亀裂が入って水が浸入したり、地震への耐震性も下がることも考えられます。

では、どのような地盤が沈下するのでしょうか。まずは、沈下のメカニズムから説明しましょう。土は骨格構造といって、いろいろな大きさの鉱物粒子がハチの巣状や単純に積み重なった状態などの骨格を形成し、その隙間に水や空気が入っている状態となっています。

この骨格が圧力や振動によって破壊されることにより土の体積が減少すると地盤の沈下が起こることになります。つまり、沈下しやすい地盤はこの骨格構造の隙間が多いのです。新しい時代の地層は隙間が多く古い時代の地盤は隙間が少なくなり、岩にもなります。沈下しにくいですが、地盤はおおむね堆積物でできているため、年代が古いほど一般的には深い位置にあります。そのため、深い位置の地盤は上層の地盤からの重さで押しつぶされ、骨格構造の隙間が少ない構造に変化して固くなり、これ以上は沈下しにくくなっているのです。地盤の固さはｎ値という指標で示されますが、ｎ値の低い地盤は沈下しやすいともいえ要注意です。特に田んぼを開発して家を建てた土地は、ｎ値が低く地盤沈下の可能性が高いです。田んぼは粘性土という粘性の高い土でできていますが、粘性土は隙間が大きく、圧密沈下といって時間とともに沈下する現象が起きやすいのです。また、盛り土といって他の場所から土を持ってきて盛り立てた土地も地盤沈下の可能性が高いです。盛り土は、転圧といってローラー等で圧力をかけて締固めるのですが、それが不十分だと沈下します。