住宅選びは土砂災害に注意

危険な宅地

住宅選びにおいて重要視する点は、利便性や治安など人それぞれですが、必ず確認したいのが災害への安全性です。日本は災害大国で、水害、土砂災害、地震、噴火など多くの災害に見舞われる可能性がありますが、今回は土砂災害について記述していきたいと思います。

土砂災害防止法における土砂災害とは

土砂災害は、土砂災害防止法という法律により、「土石流」「地滑り」「急傾斜地の崩壊」の三種に定義されており、その種類ごとに、被災する危険性が高い区域が土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域として指定されています。警戒区域、特別警戒区域にも「土砂災害警戒区域(土石流)」のように、それぞれ種類が明記されています。

住宅購入や賃貸契約の際は、土砂災害警戒区域、特別警戒区域に入っているかどうかについて重要事項説明事項のため、不動産仲介業者から購入者等に説明されますが、県や市で土砂災害ハザードマップが作成されているので、住宅検討の際には自身でも確認するとよいでしょう。

土砂災害ハザードマップのサンプルはこちら

なお、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で各種類のハザードマップが確認できます。

ハザードマップポータルサイト

土石流について

土石流は、豪雨の際に山中でがけ崩れが発生するとその土砂が水や岩、樹木を伴って猛烈な勢いで流れ下る現象です。別名を山津波とも言うぐらい土砂災害の中でも最大級に危険です。谷筋を通って濁流が下ってくるため、山間部の谷の出口付近の住宅は被災する可能性が高いといえるでしょう。その威力は木造住宅なら破壊しながら押し流すほどで、コンクリート製の住宅でも、一階は窓から土砂が流れ込みます。

地すべりについて

地すべりは、比較的大きな一団の土地が地中で円弧上に滑り出す現象です。動きが速い場合には大災害になりますが、比較的ゆっくりと動くことが多いため、何十年にもわたって動き続けることもあります。そのため、人災には至らずに家屋の損害だけで済むケースが多いのも特徴の一つです。

出展:地質調査総合センター

地すべりが発生しやすい場所は、比較的勾配が緩くて地下水が高く、地質が軟弱なところです。過去に地すべりを起こしている場所は再度すべる可能性が高く、地すべり地形という特徴的な地形を有しています。しかしながら地形を見て地すべり地形を判定できる人は少ないでしょう。でも安心してください、ハザードマップの土砂災害警戒区域、特別警戒区域には、地すべり地形を判読して地すべりを起こしそうな個所が含まれているので、ハザードマップの確認でおおむね大丈夫です。まあ、人の推測には限界がありますから、ハザードマップも完ぺきではないですが。

急傾斜地の崩壊について

急傾斜地の崩壊とは、いわゆるがけ崩れのことで、30度以上の勾配を持った崖が崩れる現象です。30度以上、高さが5m以上の崖で、擁壁などの防護施設がなければ、土砂災害警戒区域または特別警戒区域として指定されます。

急勾配の崖は、崩れて平らになっていくのが自然の摂理で、自然に任せれば、いつかは崩れるといえます。そこで、崩れないように擁壁や法枠といった防護施設でがけ崩れを防止しているわけですが、それでもすべてが安全とはいえません。「空石積み擁壁」といって石の隙間をモルタルで充填していない擁壁や、「ガンタ積み擁壁」のように瓦やレンガコンクリートなどを積んだ擁壁は、崩れやすく危険です。通常、土砂災害警戒区域、特別警戒区域は健全な防護施設があれば指定されませんが、上記のような防護施設はその対象となりません。よって、崖の安全性は土砂災害警戒区域、特別警戒区域に反映されているため、土砂災害ハザードマップをみれば安全性はある程度判断できます。しかしながら、やはり人のやることに漏れはつきもので、がけ崩れは、土砂災害警戒区域、特別警戒区域以外でも起こります。崖のそばの住宅は、できれば避けたほうがよいでしょう。

崖のそばの住宅に住む前にチェック

崖のそばの住宅は避けたほうがいいと思いますが、住まいの判断の項目はそれだけではないので、崖のそばに住む際に以下の点は頭に入れておいたほうがいいでしょう。

  • 崖上でも被災するが、崖上より崖下のほうが被災する可能性は比較的高い。
  • 擁壁などの防護施設に亀裂や変形が生じていたら、程度にもよるが、その物件は避けたほうがよい。
  • 擁壁等のない自然崖の場合、勾配は30度以上、高さ5m以上は危険。
  • 自然崖の場合、亀裂等のない軟岩部分は比較的崩れにくい。
  • 崖の大部分が軟岩であってもその上に表土がのっているとそれが崩れ落ちて被災する可能性がある。
  • 軟岩でも亀裂がある場合は危険。

まとめ

今回は土砂災害についてざっと記述しましたが、説明の足りない部分もかなりあるので、細部については別の投稿にまとめたいと思っています。土砂災害は、被災すれば人命や家屋を失う可能性の高い災害です。家の購入検討の際には、後で後悔しないよう土砂災害について十分ご検討ください。

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