不動産投資に興味があるかたでも、「築古は怖くて手が出せない」という方も多いと思います。そんな方に、私が実際に購入した築古団地の投資実例について紹介しましょう。
マンション投資といえばワンルームマンションが有名ですが、私の場合はすぐにその選択肢は消えました。なぜなら、ワンルームマンションは空室リスクが高く、その都度リホーム代もかかるため、実利が低いと感じるからです。
比較的新しく手ごろな価格で表面利回りの良いワンルームの物件は数多く存在しますが、ワンルームマンションは、単身者対象で入居者は学生が多く、すぐに退去されてしまうことが多いです。
ファミリータイプの物件であれば長期の入居者が期待できますので、実利が高くなると考え、私の場合は70㎡以上の物件で探しました。
そこで見つけたのがこのマンションで、神奈川県の海老名市にある、いわゆる築古団地ですが、駅から8分、ららぽーとが徒歩5分と立地条件は割と良い物件です。

物件概要
| 場所 | 小田急線、相鉄線、JR相模線 海老名駅から徒歩8分 |
| 建築年月日 | 1984年8月 |
| 専有面積 | 77.44㎡ |
| 間取り | 3LDK |
| エレベーター | 無 |
| 総戸数 | 240戸 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造5階建5階部分 |
| 管理費 | 6000円/月 |
| 修繕費 | 10000円/月 |
| 分譲会社 | 住宅都市整備公団 |
| 購入価格 | 1400万円 |
不動産投資をはじめた訳
筆者は、働き始めたころから、貯蓄をして仕事を離れる、今でいうFIREを早くから意識していたため、お金の運用することを意識して保険には入りませんでしたし、株式投資も入社後すぐに始めていました。
しかしながら、始めた30年近く前は時世も悪く、株式投資は、塩漬けになってしまう時期も長く経験しました。
それでも、ここ10年ぐらいは長期保有のメリットで利益が出ていた状態ですが、株式投資は時世が悪くなれば大暴落でいつ損してもおかしくないと思っています。
昨今は、株式投資は控えめにして、リスク分散のため債券やスワップという金利のようなものをあてにした長期保有のFXをやっていますが、利回りは4%ぐらいがせいぜいで、利回りが低いのが欠点です。
投資の王道の一つである不動産投資はなかなかハードルが高くて手が出せなかったのですが、やはり安定的に債券やFX以上の利回りを確保でき、昨今のインフレにも強いですし、資金にも多少の余裕がでてきたので、思い切って不動産投資を始めることにしたわけです。
この物件の購入を決めた理由
不動産投資をしようと決めてからはインターネットでよさそうな物件を見つけては内見を繰り返していましたが、なかなかこれといった物件に出会えず、2年ぐらい経過したころ、ついにこの物件なら大丈夫だろうと思えたのがこの物件でした。この物件の良い点を列挙すると以下のとおりです。
- 主要駅の今後の発展が望める。
- 駅からの距離が近い。
- 実利が高い見込みになる。
- ショッピングモール(ららぽーと)が徒歩5分。
- 水回りが比較的きれいなため、不具合がある可能性が低く、リホーム代が少なくて済む。
- 仲介業者が大手のため、だまされる可能性が低い。
- 相場より割安。
- 地価が高いので、建て替えになっても利益が見込める。
- 修繕積立金の積立額が多い。
海老名駅は、近年、開発が旺盛で神奈川県西部の中心都市となりつつあり、値上がりが望めますし、人気のエリアなので賃料を相場並みにすれば空室にはならないと考えました。
実利は、購入価格に仲介手数料、登記費用、おおよそのリホーム代、不動産所得税を足して元本とし、賃貸料から管理手数料と管理費、修繕費、固定資産税を引いて利益とした計算で求められますが、7%弱と想定できました。
ちなみに、相場の価格については「マンションレビュー」https://www.mansion-review.jpというサイトを参考にしています。このマンションレビューというサイトは優秀で、そのマンションの相場価格や過去の売買金額や過去の賃料がわかりますし、口コミから住民しか知りえない情報も得られます。このサイトによると相場は1700万円でしたが、1400万円で購入できたので、お買い得と判断しました。
それでも、初めての不動産投資のため、不動産業者にだまされてないかと心配でしたがか、仲介業者は業界最大手で、大手の会社は会社の名前に傷はつけられないでしょうから、大丈夫だと言い聞かせて購入の決断をしました。
リホーム
この海老名のマンションは築後36年経過しており、現在のURである住宅都市整備公団施工の物件で、いわゆる築古団地です。
管理がしっかりしており、外見はそれなりにきれいですが、やはり内装は壁紙がボロボロで給湯器も20年ものでした。しかしながら、風呂とキッチンは10年ぐらい前にリホームしてあるようで、きれいでしたのでリホーム代はさほどかからないだろうと考えていました。
ところが、いざリホームしようという段階でいくつか誤算がありました。
一つは給湯器についてです。15万円もあれば交換できるだろうと考えていたのですが、既存の給湯器の施工会社である東京ガスに聞いたところ、「この給湯器は室内型の特殊なもので東京ガスに依頼しないとできないため、40万円はかかる。」といわれました。筆者はかなり疑り深いので、ここから他社への見積もり攻勢に出たのですが、数社来てもらって見積もりをしてもらいましたが、「部材が特殊なのでうちではできない。」といわれてばかりであきらめかけました。その後、意地で見積もりを続け、10社まではいかなかったと思いますが、最終的には21万円でやるという業者を見つけることができました。
給湯器は、古いマンションの場合は、構造が複雑だとネックになることが多いので、外付けのシンプルなタイプがいいと思います。
もう一つ想定外にリホーム費用がかかったのがキッチンのオーブンです。キッチン自体はきれいだったのですが、オーブンのスイッチが外れており、オーブン自体を交換することにしたのです。10万円ぐらいでできるかなと思っていたのですが、数社問い合わせて、結局一番安いところで23万円かかりました。キッチン一体型の設備は高くつくようです。

あとは、順調に進み、畳の表替え、フローリングの張替え、障子張り替え、壁紙張替え等で約95万円かかりましたが、比較的安くできたかなと思っています。
結局、リホーム費用としては総額140万円かかりました。
これでそのまま貸し出す人も多いと思いますが、大まかなリホームではカバーできない、サッシの汚れや建具の塗装の剥がれなどが残っており、借りる人にとっては、ちょっとした汚れや剥がれは気になると思いました。これについては、リノベーションやフルリホームといった大規模なリホームならきれいになるでしょうが、この物件のような大まかなリホームではできないため、自分でやるしかないと考え、妻、娘の助けも借りながらdiyでかなりきれいにしました。
このdiyをやっていない場合と比較できないので確証はないですが、この少しの差が賃貸経営のうえで重要だと思います。
この物件の全持ち主からの引き渡しが1月半ばだったのですが、賃貸の申し込みが多くなるのが1月から3月末といわれており、3月末まであまり猶予がなかったのですが、なんとか3月当初にはすべてのリホームを終えることができました。
賃貸管理会社の選定
物件のについて、自分の取り分を増やしたいのであれば、自主管理がいいのですが、平日は仕事があるので対応できないですし、賃貸人と直接やり取りするとトラブルの原因になると考え、自主管理はしませんでした。
そこで、ネットでさがした数件の近隣の業者にいろいろ聞きましたが、賃貸管理料金は大体どの業者でも同じで、賃料の5%が毎月の管理料で仲介時に賃料の1か月分また更新時に賃料の半月分とのことでした。
しかし、ここで気を付けたいのは、業者によってどこまでが賃貸管理業務の範囲かが異なってくることです。ある大手鉄道系不動産会社は、賃料の3%で賃貸管理をやるというので一度はお願いしようとしましたが、よくよく聞くとその管理料では賃料の徴収だけしかやらないので、修繕が必要な時の見積もりや対応は別途金額がかかるといわれました。合計すると高くなるとのことで、こちらとしては、トラブル対応をお願いしたいのにこれでは意味がありません。賃貸管理業務の範囲についてはよくよく確認しないとのちに「こんなはずじゃなかった」と悔やむことになりそうです。
筆者は、「不動産管理会社は、地域密着の小規模な会社がいい」と思っています。地域密着であればちょっとした直しやトラブルをすぐに対応できるでしょうし、大手だとちょっとした直しや修繕の見積もりを下請け経由でおこなうので高くなりがちで、小さなたたき上げの人が取り仕切っているような不動産会社のほうが、自社でいろいろできるのでいいのかなと思います。
そのため、最終的には、この物件の管理は徒歩10分ぐらいにある割と小規模で近隣の不動産会社にお願いすることにしました。
賃貸募集時期について
この物件を買った当時は、4月になったら賃貸の申し込みは皆無になると思っていましたので、少し焦っていましたが、のちにいろいろな不動産業者に聞くとファミリー向けの物件は1年中申し込みはなくならないそうなので、それほど焦ることもなかったのかもしれません。
しかしながら、年度末に申し込みが多くなることは確かで、年度末には、賃料相場も高くなることが想定されますから、大家としては、タイミングがあえば年度末に賃貸契約を結ぶのが、賃料を高く望めるのでよいと思います。
逆に借りる人は、年度末を避けると同じ物件でも賃料が安く契約できるかもしれません。
借家人の決定
3月初旬に賃貸の募集をかけるとすぐに、「外国人モデルの若い女性が、彼と住みたいから賃貸希望してる」との連絡が業者からありました。申し込みが少なくなる年度末まで猶予はありませんでしたが、若い外国人モデルが家賃を踏み倒して海外に逃げる未来を想像してしまい、その外国人はお断りしました。
しかしながら、その後すぐに3人家族のファミリーから申し込みが入り、年度末までに賃料110000円管理費5000円で賃貸契約を結ぶことができました。どうやら、頑張ったリホームを気に入ってくれたようでした。
その後
入居後すぐに、「トイレのウォシュレットのランプがついたまま消えない」との連絡が賃貸管理会社に入りました。どうやら、あるメーカのウォシュレットは年数が経過すると交換させるためにそういった使用になっているとのことでした。賃貸管理会社経由でウォシュレットを3万円で交換できるとのことなので、割と安く交換できたと思います。
その後5年ほど経ちましたが、現在のところそれ以外のトラブルはありません。
海老名駅周辺は地価が年5%ぐらい上がっており、物件の相場価格も「マンションレビュー」によれば上がっているようなので、今後は良い査定額がでれば売ることも視野に入れています。
ちなみに、売った時に利益が出た場合には税金がかかります。買ってから5年を経過していないと税金は利益の約40%にもなりますが、5年経過していれば約20%ですみます。20パーセントの差は大きので、投資物件を売る場合には5年経過後でないと税金でごっそり持っていかれます。
また、この物件の周辺はマンション建設ラッシュで、70㎡ほどの物件が6千万円台になっているため、建て替えが決まれば2千万ぐらいもちだしでも、儲けが大きいと思っていますが、なかなか建て替えの決議は条件が厳しいので、その望みは薄いようです。
まとめ
この物件は初めての不動産投資でしたが、現在のところ、たいしたトラブルもなく、実利7%弱と比較的順調といっていいと思います。しかしながら、建築後40年以上になりましたので、今後、配管の水漏れなど、おおきなトラブルに対して少し不安もあります。
賃料収入のような継続的にに得られる収益をインカムゲイン、譲渡益のように一時的に得られる収益をキャピタルゲインといいますが、キャピタルゲインが大きなマイナスになってしまっては最終的にこの不動産投資が成功とはいえません。
でも、昨今は不動産価格が高騰基調ですので、買った時よりも古くはなりますが、譲渡益も望めるのではと希望をもっています。おそらく、キャピタルゲイン、インカムゲインをあわせればかなりのプラスになることは想定されるので、まだ、確定的な結論はでませんが、築古団地の投資はありではないでしょうか。
追記:不動産投資は、損するように仕向けてくる業者もいますので、不動産取引のリスクをまとめたこちらのページもご確認ください。https://takuti-tatemono.com/hudousanntorihiki


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